前回の①に続いて、犬の幼稚園について書いていきたいと思います。今回はお世話になった幼稚園をやめることになった理由に触れます。
「退学」とかいってますが、正確には「退園」というところでしょうか。
それはともかく、前回の記事「まんぷく、犬の幼稚園に行く①」では、幼稚園に入ることになったいきさつ、幼稚園のメリットや料金について書きました。
前回の記事はコチラ
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犬の幼稚園コラム①やんちゃなダックス・まんぷくはかつて幼稚園生だった
いよいよ、この話題に踏み込んでいきたいと思います。まんぷくは0~1歳頃、「犬の幼稚園」に通っていました。
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この幼稚園の記事が、当サイトの全記事でアクセス数NO1となっています。
それだけ「犬の幼稚園」は、多くの方にとって関心のある話題なんだろうと感じました。
今回は、1年半ほど通った犬の幼稚園をやめることにした理由について書きたいと思います。
ですがその前に、
なぜ犬を幼稚園に預けるのか
預けることによってどんな効果が見込まれるのか
について、考えてみたいと思います。
この件は、「退園」の理由と深い関わりがありますので、少し詳しく書きたいと思います。
幼稚園を利用して、良かったことと悪かったことは50/50
インスタなどを見ていても、愛犬を幼稚園に預けている、または預けることを検討しているという方は意外と多く、まんぷくが幼稚園に行っている間も、「実際に幼稚園を利用してみてどうですか?」などとよく訊かれたものです。
とっくに退園した今も、訊かれます。
* * *
飼い主が仕事などで留守にする際、安全に犬を預ける施設を探すだけなら、それほど苦労はないと思います。
今の時代、そこら中にペットホテルや一時預かりの施設があるし、何なら近頃は動物病院だって預かりサービスを取り入れてますから、もしかかりつけの病院がそうしたサービスを提供していれば、そこへ預ければいいわけです...
でも単なる一時預かりではなくて、「幼稚園」を希望あるいは検討されてるんですよね。
単なる預かり施設ではなく「幼稚園」を検討しているということは、
- 愛犬について何らかの悩みを抱えている
- 愛犬に何らかのしつけをしたいと考えている
からだと想像します。
そして幼稚園に預けることによって、悩みが快方に向かったり、愛犬が良い形で成長するのか・・・というところが、知りたいのですよね。
だから「犬の幼稚園て、実際どうですか?」という問いに、「運動会や遠足があって楽しかったで~す♡」という答えだけではゼンゼン答えにならないだろうと思い、こうして長々と記事にすることにしました。
「幼稚園てどうですか?」と訊かれたときのわたしの答えを先に書きますと... 犬の幼稚園を利用してみて「よかったこと」と「悪かったこと」は、ちょうど50/50だったと思っています。
その、「良かったこと」と「悪かったこと」を、これから書いていきますね。
犬の幼稚園は、何をしてくれる施設なのか
犬の幼稚園て、どんな存在なのでしょう?愛犬に対して何をしてくれるところなのでしょう?
なぜ犬の幼稚園が幼稚園を名乗り、単なる「犬の預かり施設」と一線を画しているのか。
わたしは園長ではないので正確なところはわかりませんが、おそらくカリキュラムに「しつけ」とか「トレーニング」といった要素があるから、「幼稚園」を標榜しているのだろうと考えます。
ただ単に朝、犬を預かって、約束の時間になったら返すというだけでは、「幼稚園」とはいえないよってことなんでしょうね。
では犬の幼稚園は具体的に何をしてくれる施設なのでしょうか?
基本的には専門の訓練を受けた訓練士やトレーナーといわれる方々が常駐し、決められた時間の中で犬を預かってくれます。
まんぷくが行っていた園の一日のメニューは、
幼稚園での一日
- トイレトレーニング
- クレートトレーニング
- ブラッシング
- 昼寝
- 個別トレーニング(日による)
- ふれあいの時間(このあと詳述します)
ざっくりこんな感じでした。
(※朝から晩までのフルタイム預かりのメニューです)
これらのメニューを通して、犬の成長をサポートしてくれるという感じです。
施設によって色々あると思いますが、各地にある犬の幼稚園のホームページなどを見ていると、施設の理念や訓練の目的などにおいて、
さまざまな活動や行事、訓練士との交流を通して、犬の社会化をサポートする。
といったことが謳われています。
これこそが、単純な一時預かりサービスと犬の幼稚園の決定的な違いなんですね。
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犬の幼稚園を利用して良かったこと
この「社会化をサポートする」という点で考えれば、まんぷくが通った幼稚園は非常に良かったです。
今のまんぷくがもっている社交性、コミュニケーションスキル、目上の犬ないしは人間への上手な取り入り方(笑)・・・これらを養ってくれたのは、1年半に及んだ幼稚園生活だったに違いないと思っています。
そういう意味では、園には今も本当に感謝していますし、たくさんの人や犬に囲まれて大きくなったことは、まんぷくにとってとても大きな意味があったと思っています。
これはかあちゃんの個人的な考えですが、
犬の社会化って、つまるところ「自分のワガママがどこでも通用するとは限らないということを骨身にしみて痛感し、現実の厳しさを知る」ってことではないかと思います。
「家では飼い主が可愛がってくれて犬の天下だけど(笑)、世の中、何でも自分の思い通りになるわけじゃない」って。
これを学ぶのに、幼稚園はいい場所だと思います。
なにせ素晴らしい協力者がいますから。
先輩犬の存在
その「協力者」とは何者なのかといいますと・・・
犬です。
幼稚園では、人間の訓練士のほかに「先輩犬」という、飼い主では絶対に代わることのできない偉大な教師が待ち構えています(※園の方針によって違いはあります)。
実際、これにはたまげましたね。
犬の幼稚園には大体「ふれあいタイム」とかいって、よその家のワンコや、幼稚園で飼っているワンコと一緒に遊ぶ時間が設けられています。
ここで身勝手なふるまいをしたり、ほかの犬をいじめたり、ルール違反をしたりすると、先輩犬がすっ飛んで行って「和」を乱す犬を叱るんだそうです。
「ふれあいタイム」における先生は、訓練士じゃなく先輩犬なんだと。
こちらの写真は完全にイメージです。
「先輩犬」は必ずしも強そうな大型犬ではありません。
まんぷくがいた園ではまんぷくと同じくらいのキュートな小型犬がリーダーを務めていました。
訓練士さんからこの話を聞いてリーダー犬を紹介されたとき、わたしは「またまたご冗談を(笑)。」と思いましたが、実際これは本当の話だそうです。
当然ワガママ大王のまんぷくもその洗礼にあい、犬の世界におけるタテヨコの関係を学び、身勝手なふるまいをやめ、先輩を立てるようになったというのです。
こんなこと、【自宅でひたすら留守番】だけでは体験できませんので... あとになって思うと、比較的早い段階で「犬社会」に放り込まれ、犬社会のルールにもまれたことは、まんぷくにとってこの上なく良い体験だったと思っています。
もちろん厳しいことばかりじゃなく、たくさんの友達といっぱい遊び、ケンカもして、充実した毎日を送ることができた・・ということも、書き添えたいと思います。
カフェや福祉施設に課外授業に行ったりもして、色んな経験ができましたし。
ここまで読んで、
そうなのよ!!つまり、そうなのよ!
愛犬にはぜひこの体験をしてほしいのよ!
・・・と思う飼い主さんなら、犬の幼稚園は とても「アリ」だと思います。
細かいカリキュラムや預かり方などは施設ごとに違うので確認が必要ですが、たぶんやっていることに大きな違いはないように思います。
お金はそれなりにかかるけど、園の訓練士さんに色々聞けるし、上手くいけば飼い主さんにも愛犬にも「犬仲間」ができる(ただ、高確率で非常に感じの悪い飼い主さんにも出会いますけど)。
毎回張り切って楽しそうに登園する愛犬を見るのは嬉しいものだし、仕事の励みにもなります。
で・す・が!
飼い主としての悩みや願望を突き詰めたとき、
「愛犬がちっとも言うことを聞いてくれない・・・」
「飼い主である自分をバカにしている気がする」
「愛犬との向き合い方がわからない」
「愛犬には自分でしつけをしたいけど方法がわからない」
という風に、愛犬 対 飼い主の間の問題をどうにかしたい と悩んでいる場合は、幼稚園の申込書に今にもハンコをつきたい気持ちをグッと抑え、もう少し別の施設にも目を向けてみることをおすすめしたいと思います。
「やめたほうがいい」と言っているわけではなく、「幼稚園以外も見てから決めた方がいい」と思うのです。
幼稚園を退園することにした理由(=良くなかったところ)
今になって思うと、我々の場合は、どちらかというと後者でした。
愛犬に友達を作らせたいとか、行事に参加させて社交性を養いたい・・・とか以前に、
愛犬 対 飼い主の間の問題をどうにかしたい!
自宅での問題行動を正したい!
という切実な悩み・願望がありました。
なぜまんぷくを幼稚園に通わせるのをやめて、別の施設に変えたか(←あとで詳しく書きますが、変えたんです)というと、結局のところ、「このまま幼稚園に通ってて、何かが変わるのか?状況が良くなるのか?」と、疑問がムクムク大きくなってしまったからです。
もっといえば、このまま通っていても、
【愛犬 対 飼い主の間の問題をどうにかしたい】という問題は、解決しないだろうなと思ったのです。
これが幼稚園をやめた理由です。
先述したように、幼稚園には幼稚園の良さがたくさんありますし、幼稚園を利用したことは後悔していませんが、
「いささか回り道したな」とは思います。
①の記事でも書いたように、まんぷくを幼稚園に入れるときは本当に切羽詰まってて、あれこれ考える余裕もなく、時間もなく、ドタバタの中でほとんど何も考えていなかったので仕方ないといえば仕方ないですが、もっといろいろな施設を見て、考えてもよかったのかなぁと。。。
幼稚園を出たあと、別の施設で圧倒的な結果を出す訓練士さんと出会ったので、なおさらそう思う。
ちなみにその「あとからお世話になった施設」は、「幼稚園」ではありません。
まとめ
この記事の最後にわたしが言いたいのはコレです。
- 愛犬に色んな経験をさせたい!
- 訓練士さんに質問したり、ちょっとした悩みを相談したい!
- 愛犬に、トイレやクレートトレーニングをしてほしい!
- 愛犬に、犬の世界のマナーを学ばせたい!
- 運動会などのイベントに愛犬と参加したい!
- 犬の面倒がみられない時間帯、安全に預かってほしい!
こういうとき、身近にある犬の幼稚園はとてもいいと思います。
我が家もその恩恵を受け、まんぷくは人見知り(犬見知り)しない、比較的フレンドリーな犬に成長しました。
その一方、我が家に関しては、幼稚園に通うなかで色々な問題が浮上していました。
- 愛犬(まんぷく)がどんどん社交的になるのはいいが、愛犬と飼い主の関係はなかなか改善しない。
- まんぷくは相変わらず留守番ができない。
- 問題行動が直らない(どころか部分的にひどくなっている)。
少々言葉は悪いのですが、愛犬の外ヅラがよくなるばかりで、家の中での様子は入園前と全く変わらないというか・・・
これは幼稚園が悪いというわけではなく、
訓練士と我々の「力量」の違いがモロに出てしまうからではないか と思われました。
ちょうどそんなとき、通っている園で問題が起き、結局それに背中を押される格好で退園することとなりました。
その問題というのは、個人情報の流出です。
園の訓練士さんの悪意なき手違いによって、まんぷくに関する情報が外部にダダ漏れしまして。
飼い主が決して誰にも明かさなかった、まんぷくが通う園の名称や所在地を、知られたくない方々に知られてしまったのです。
当時はちょっとストーカーっぽい感じの人もいましたので、取り返しのつかない事態になる前に見切りをつけ、やめることにしました。
今回はここまでとし、次回の記事で、
訓練士と我々の「力量」の違いがモロに出てしまった件 をさらに深堀りしたいと思います。
具体的にどういうことなのか、なぜそうなるとよくないのか、などについてです。
では今回もお読みいただきありがとうございました。